ワイヤロープとドラム・プーリー(シーブ)との径の比率

ワイヤロープは、多方向への方向転換や繰り返し曲げなどの運動伝達手段として用いられます。この場合、構成などによるロープ性能が寿命に大きく影響します。また、ロープが曲げられることにより生じる曲げ応力(σ b)がロープ寿命に大きく影響します。
下図は、ロープより構造と曲げ応力(σ b)の関係を示しております。

原則として7×7構造ロープはドラム・プーリー径(D)の直径が使用ロープ径(dr)の40倍以上、7×19構造ロープは35倍以上が少なくとも必要です。
ロープ径(dr)とドラム・プーリー径(D)との比率は、法規・規格・用途により決められている場合があります。

素線径で算出される場合、一般的に言えば、ドラム・プーリーの径(D)は素線径(δ)の1000倍以上を理想としますが、やむを得ない場合でも500倍以上が望ましい。ただし、設備の構造上大きくできない場合がありますが、この場合でも少なくとも300倍以上にすることが必要です。
大体の目安は次の通りです。
希望値  D/δ>1000
推奨値  D/δ>600
最低値  D/δ>500
限度値  D/δ>300
*限度値はロープの寿命を相当犠牲にします。

ドラム・プーリーの材質

ドラム、プーリーの材質をどのように選択するかは難しい問題で、溝底の硬度がロープの硬度より軟らかいときは溝の磨耗が早く、時にはロープの形が溝に残って、突起した部分でロープを痛め、逆に硬度が高いときはロープを早く磨耗させます。
一般に溝の硬度は、ロープの硬度よりも僅かに高いのがよいといわれています。

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