ワイヤロープの損傷
ロープに損傷が生じた場合、その部分の断線素線の破断端の形状や、ロープの損傷部分の状態をみれば、大体その損傷原因を推定するとこができます。したがって、ロープの損傷状態をよく調べて、その損傷原因を取り除くことによりロープの寿命を延長することができます。
次に、おもな素線の破断端の形状とロープの損傷状態を示します。
ワイヤロープの損傷 | |
【 引張り 】 破断端は断面収縮している |
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【 せん断 】 破面は素線軸に対して斜めになる |
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【 疲労 】 破面は素線軸に直角で、その面は比較的滑らかである |
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【 つぶれ 】 素線はつぶれと加工硬化、過加工の状態となり、疲労断線を起こしやすい |
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【 外傷 】 外傷を受けた素線は、傷の部分に応力集中を起こし、疲労断線する |
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【 摩耗 】 破線端はとがったように鋭い |
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【 腐食 】 素線表面は凸凹は激しく肌があらい |
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曲がりを生じたロープの局所的摩耗 |
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シープとの面圧が大きいために損傷したロープ |
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乱れ巻きにとって損傷したロープ |
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シープ溝の側壁でしごかれて損傷したロープ |
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過小シープでしごかれてスパイラル状になったロープ |